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運営美容室

白髪染め専門美容室ソマリ

ヘアサロンへアケアトーク

長崎弘幸(ひでよし)

長崎弘幸(ひでよし)
資格美容師資格国家資格
美容師免許証交付番号389588号

運営

美容師免許証

美容師免許証:長崎弘幸(交付番号389588号)

経歴

1990年9月4日生まれ。県内外の美容室にて美容師として9年間従事。美容師時代に培った髪の知識・シャンプートリートメントからヘアアイロンに関するヘアケア知識の情報をひでよし名義でヘアケアトークにて執筆。3店舗の美容師期間を経て白髪染め専門美容室”白髪染め専門美容室ソマリ”を開業。現在はヘアケアを応援する会社「株式会社AWA」の代表取締役。

白髪染め・シャンプー・トリートメント等
ヘアケアに関する考え方

白髪の研究は、近年、発生学や遺伝学の分野から知見が流入しており、ダイナミックな発展に目を見張ります。一方で、まだ具体的な治療薬の実用化には至っていません。しかし2018年、白髪メカニズム研究の第一人者である青木仁美先生の論文1)の最後に「あるお茶」が紹介され注目を集めました。白髪になる原因は、ダメージで毛包幹色素幹細胞がメラニン細胞(髪の色素になる)を増殖出来なくなることで起こります。この論文では、ダメージが直接的に毛包幹色素細胞へ障害を及ぼすのではなく、「ニッシェ」という、バルジ領域*1の環境を構成する毛包ケラチノサイト幹細胞への障害に起因していた事が示唆されています。放射線照射によってダメージを受けた毛包幹細胞に、代わりのニッシェを与えることで、幹細胞の増殖能力が維持されたのです。他にも、早期白髪を発現する遺伝子操作マウスに、色素細胞の分化増殖因子であるKitlあるいはHGFが、加齢に伴う白髪化を抑制したことから、ヒトでの白髪化の予防に有効である可能性など、詳細な遺伝子分析が記載されています。そしてこの論文の最後に、特に脈絡なく「あるお茶」を服用または塗布する事で白髪化の予防、回復に効果があると、さらっと紹介されているのです。
(別メディアでは「ヤーバサンタ(Yerba Santa)」という中南米で栽培されているお茶だと発言されていた様です。)

青木先生は、コントロールの難しい、遺伝子操作や幹細胞移植による白髪治療ではなく、有用な因子や成分を模索して人体への悪影響のリスクが低くい、サプリメントなどでより実用的な色素幹細胞を支えるニッシェを守る技術の開発に取り組まれています。では毛包(毛球を包んでいる皮膚)の環境を構成、維持するこのニッシェでは何が起こっているのでしょうか。髪の毛球(髪の根っ子)にある色素細胞集団は毛周期と同調し、周期的に細胞の増殖分化/アポトーシス*2の制御を受けて、再生(成長期)→退縮(退縮期)→休止(休止期)をくり返します。ヒトの頭髪の毛周期は約2〜4年です。
色素幹細胞は、通常、毛包のバルジ領域においてメラニン顆粒を持たず、未分化で維持されています。毛周期と連動して一過性に自己複製すると同時に、分化した子孫細胞(メラニンになる細胞)を毛球へ供給し、さらに毛包内で色素細胞系譜を再構築する能力を持っています。加齢やダメージにより、色素幹細胞は未分化性を失い、ニッシェでは通常存在しない、メラニン顆粒を持ち形態が変化した色素細胞(EPMs)が現れるようになります。こうなると、本来は自己複製して維持されるはずの色素幹細胞が消滅してしまい、白髪化がもたらされます。しかしこの反応は、体細胞が細胞内代謝や紫外線などの要因による、ゲノムエラーによって起こる悪性腫瘍を未然に防ぐためのシステムです。

幹細胞は長期にわたり維持されるので、変異が蓄積されやすい細胞です。つまり、白髪化は重度の欠損を持つ色素幹細胞が自己複製しないためのメカニズムなのです。この他にも、この研究で明らかになった幹細胞の品質を監視し、自己複製を実行すべきかを選択・決定している機能であるDDR(DNA damage response)や、幹細胞性チェックポイントなるものが安全な再生医療に応用されることが期待されています

白髪の解明が、再生医療の分野に関係するとは、大変興味深い論文です。とはいえ、普段の白髪ケアでは、髪を染めている方がほとんどです。今は白髪染めというより、全体を明るくして好みの色合いにする方が主流です。家庭で使えるヘアカラー剤も様々ですが、白髪がうまく染まらず相談される方は多いです。その染まりにくさの原因は、黒髪と白髪のメラニン量の違いです。メラニン顆粒からは、微量金属が検出されます。染毛剤はそのメラニン顆粒の性質を利用して髪を染めるのです。

ホーユーと大学研究機関の共同研究3)では、ブラウン系(2種類の化合物を反応させて発色させ、過酸化水素(ブリーチ)によって浸透、発色を促進)ブルー系(アッシュ系)、レッド系(もとから発色しており、単体で毛髪内部まで浸透して染まる)で黒髪と白髪を染めた時の反応を観察しています。検証されている、酸化染料剤(アクリルカラー剤など)は一般的に1 酸化染料モノマーの毛髪浸透と2 毛髪内で起きる酸化反応の2ステップで染色されます。ブルー系、レッド系では1 のステップも2 のステップも染まりやすさに差異があまり見られません。しかし、ブラウン系の2 のステップにおいて、過酸化水素による酸化反応を促進するためのメラニン顆粒の金属量の違いから、白髪では発色の元になる化合物の生成量が明らかに少ないのです。これが白髪が染まりにくい原因となっています。現在のカラー剤は、年々改良され、以前ほど白髪だけ染まりにくいとは感じられませんが、自分で染めた場合、溶剤を塗る時にムラがあったり、髪質によってイメージとは違う仕上がりになってしまいます。ヘアカラーも白髪染めトリートメント白髪染めシャンプーリタッチ用と用途に合わせて色々と市販されていますから、自分に合ったものを探索しながらも、気軽に、経験豊富な美容師にアドバイスをもらうのもオススメです。

またダメージ、老齢、薄毛、白髪など髪の状態に応じた研究も数多くなされており、それら最新の知見に基づいて提案されたヘアケアの方法は、お客様の長年にわたる悩みを、根本から改善する効果を発揮すると信じています。例えば2016年の資生堂グローバルイノベーションセンターの論文1)では、ダメージのある髪に、pH値を下げポリクオタニウム−11を配合したシャンプーを使用する事で髪のメラニン流出を抑えるという技術が紹介され、すでに様々なトリートメント、整髪剤に用いられています。またその研究の過程において、健康な髪は洗髪におけるメラニン流出がほとんど見られず、ブリーチ処理した髪においてもツヤの損失が観察されなかった事に言及しています。つまり健康な髪を保つ事で、日常的なダメージを受けにくくなるのです。対策を取らず髪のダメージを放置すれば、シャンプーでさえ悪化の大きな原因です。

ダメージに関しては一般社団法人 日本毛髪構造機構研究会2)が「ヘマチン」を含有したトリートメント剤によるキューティクルの修復を物性科学の視点から観察した研究を発表しています。光化学顕微鏡を用いたキューティクルの比較観察で、ダメージを与えて内部組織、コルテックスを露出した毛髪にヘマチン含有のトリートメントを使用すると、キューティクルに似たうろこ状の物質がコルテックスを覆っていたことを確認しました。またその原因として、ヘマチン含有トリートメント剤を使用した髪は電気伝道度が高いことから、髪に残ったヘマチンが媒体となり、エピタキシャル成長*1により髪の破断面の形状を模倣する為であると分析しています。上記論文1)では、加齢によるハリコシの低下とその原因についても記載されています。キューティクルで特異的に発現するKAP5遺伝子と毛髪のハリコシに重要なヘアケラチンとケラチン関連タンパク(KAP)の関係についての研究で、KAP5遺伝子の発現量が多いほど、ハリコシのある毛髪であること、そのKAP5遺伝子の発現量は40歳前後で減少することから高い関連性にあるとし、その発現率を高めるオノニスエキス(マメ科植物オノニスの根から抽出したエキス)やアミノ酸の誘導体を紹介しています。TVやYouTubeでご活躍されている植木理恵先生3)の論文でも、美しい髪で過ごすための日常的な対策として、自分にあった洗髪方法、睡眠、禁煙、バランスの良い食事を推奨しながらも、薄毛に関しては、症状を理解して維持することが重要であるが、原因の特定できないびまん性脱毛症や加齢変化、男性型脱毛症には、毛母細胞、毛乳頭細胞に直接働きかけるミノキシジルの強い発毛効果があることなどが紹介されています。

個人の悩みは様々ですが、毛髪美容業界では、より個々のニーズに合わせたサービスが日々生み出されています。新しい研究に基づく視点で悩みを分析することで、「最も効果的で、一人一人に合ったヘアケアを紹介したい」という強い思いから、サイト運営をしています。

参考論文

  1. 荻原基文 資生堂グローバルイノベーションセンター 毛髪を美しく健康的にするヘアケア技術
    J.Soc.Cosmet.Chem.Jpn. 特集総説 50(1) 2 ─ 7(2016)
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/sccj/50/1/50_2/_pdf/
  2. 杉山保行 太田雅壽 シャンプー・トリートメントによる毛髪の修復機構 高分子論文集 (Kobunshi Ronbunshu), Vol. 75, No. 1,
    pp. 94—98 (Jan., 2018)
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/koron/75/1/75_2017-0053/_pdf/
  3. 植木理恵 髪の健康を考える-美しい髪で過ごすには
    順天堂醫事雑誌. 2013,59 P327〜330
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/jmj/59/4/59_327/_pdf/
  4. 青木仁美 毛のメラニン科学と白髪化
    日本香粧品学会誌 Vol. 42, No. 1, pp. 9–14(2018)
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/koshohin/42/1/42_420101/_pdf/
  5. 青木隆博 西村栄美 白髪が生じるメカニズム
    Vol.46 No.12 ファルマシア 1115-1119(2010)
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/46/12/46_KJ00009581807/_pdf/
  6. 今井健二ほか 酸化染毛剤による白髪と黒髪の毛髪金属との関連について
    J.Soc.Cosmet.Chem.Jpn. 報文 44(3)208 ─ 215(2010)
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/sccj/44/3/44_208/_pdf/

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